私の息子は、発達ゆっくりさんです。
2歳半検診の時に指摘され、後にASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。
発達障害の一つで、他の人とのコミュニケーションが苦手なことがあります。また、特定の行動や興味に強くこだわることが特徴です。ASDは個々の特性が様々で、早めのサポートや療育が子どもの日常生活の困難を軽減させることがあります。
息子が診断を受けたときとき、これからどうすればいいかたくさん悩みました。
また、転勤族なため、引っ越しが決まったとき、新しい地域での療育の手続きがわからず戸惑いました。
今ではいろんなサポートを受け、そして、療育を受けながら、息子の成長を見守っています。
この記事では、私たちの体験談や、転勤時の療育手続きのポイントを紹介します。
【1歳】漠然と感じていた違和感
まだまだコミュニケーションは取れなくても心配はない時期ではありましたが、漠然と「何かが違う」と感じていました。
初めての育児、そしてワンオペ。転勤先で回りに頼れる人もいません。
月齢が同じくらいの赤ちゃんと比べては、なんとも言えない不安を感じていました。
ただ、夫婦共に障害者に関わる仕事をしていたため、当時も今も、前向きに息子の将来について話し合うことはできています。
【1歳半健診】 ことばの遅れを相談
言葉の遅れを心配し、保健師さんに相談。
地域の親子で参加する発達教室を勧められました。
保健師さんが言っていることが曖昧で頼りない感じでしたが、様子を見てもいいとのことなので参加しませんでした。
後々この時のことを、私が参加を拒否したということになっていたとわかり、ちょっと震えました。

男の子はだから大丈夫よ~とよく言われました。
【2歳頃】 子どもの気持ちが知りたくてたまらなかった
単語やオウム返しが出てきて、これからそろそろコミュニケーションが取れてくる時期かな?と思っていました。
ですが、興味がある数字や歌、テレビCMのモノマネ等、一方的な発話のみ。
気持ちを伝えるためのことばではありませんでした。
意思を伝えるためのしぐさや態度もあまりなく、本人が何を考えているかわかりませんでした。

おなかすいた?欲しいものは?
何がしたい?楽しい?
なんでもいいから子どもの気持ちが知りたかったんです…
子どもを傷つけないために「子育て電話相談窓口」を利用
その頃、コミュニケーションが取れないことに強いストレスを感じるようになりました。
思いが伝わらない・わからないと、きつく怒ってしまい、自己嫌悪の繰り返し。
このままでは虐待をしてしまうかもしれない。
でも、こんなこと家族や友人に相談できない。
そう思った時、調べて相談したのは「子育て電話相談窓口」です。
子育てに関する悩みや問題を抱えるこどもや保護者が、専門の相談員と電話で話をしながら相談できる窓口です。 こどもの体調や育児、夫婦の悩みなど、専門家が適切なアドバイスをしてくれます。電話相談は、時間や場所に制限が少ないので、気軽に相談できるメリットがあります。地域の自治体や医師会、民間の団体が運営していることが多く、無料で利用できる場合が多いです。
私は都道府県の運営する窓口を利用しました。
半泣きで長々と思いを話してしまいましたが、相談員の方が私の話をしっかり聞いてくれました。
必要があれば、必要な相談・支援の情報も共有してくれます。
誰かに話を聞いてもらうと、自分の気持ちや課題が見えてきました。
【2歳半健診】初めての発達相談
言葉の遅れ以外(落ち着きが無い、ご飯を自分で食べない、偏食、癇癪、怖がり等)にも気になることが多く、初めて発達相談を受けました。
臨床心理士の方には、発達の詳しい検査を勧められましたが、地域の方針では、発達教室→発達検査→医療機関→療育利用という流れになると保健師さんから話がありました。
個人的に医療機関にかかることもできましたが、夫婦で話し合って段階的に進めることにしました。

ショックとかは無く、「やっぱりか…」という気持ちでした。
小児科で相談
かかりつけの小児クリニック(児童精神科ではない)に別件で診察に行ったとき、先生に相談してみると、とても親身になって話を聞いてくれました。
今までの診察の様子から、先生も気にしていてくれたようでした。
また、これからの流れ、療育の目的などたくさんアドバイスをいただきました。

わからないことはその都度教えてもらってね。とも言われました。
発達教室に参加
利用した発達教室は、月に1度、療育を利用していない親子が対象でした。
親子療育で毎回5組ほどの参加者がいました。
- 朝の会・体操
- みんなでゲーム・遊び
- 絵本の読み聞かせ
- おやつタイム
- ラベル終わりの会
必要な人は、おやつタイムの前に臨床心理士の先生との面談を受けることができます。
相談では、療育利用希望で小児科にも相談済みと伝えると、療育に行く時期は、いつでもいいとのこと。
その後すぐ保健師さんから、療育利用に向けて、後日申請の流れなどを説明に自宅に来てくれると話がありました。
ここの教室に療育に通うまで3度ほど通いましたが、集団行動が全くできず、一人でずっと走り回っていました。
発達教室の振り返り
保健課の職員の方が、発達教室の振り返りのために自宅へ訪問してくれました。
この時に、療育施設や利用の流れの説明を受けました。
- 発達相談
- 発達検査
- 療育施設の検討・見学
- 受給者証申請・交付
- 療育施設・相談支援事業所と契約
- 療育開始
この頃は2人目妊娠中で、産前産後の保育園の利用手続きも進めていたため、手続きが多く負担に感じました。
診断書を書いてもらうために小児科に電話
電話で受け付けの方に「療育利用のための診断書が欲しい」と伝えると、診断書を役所に提出するまでの流れを説明してくれました。
- 今までの健診の結果や発達教室の状況等の情報提供をしてもらうよう役所に依頼
- 役所から小児科に経過記録が届いたら、小児科から連絡が来る
- 診察と診断書の受け取りに小児科へ行く
- 診断書を役所へ提出する
役所に小児科への情報提供を依頼の電話をしたところ、できるだけ早めに対応してくれると言ってもらい安心しました。
前の診察時に、事前に相談をしていたこともあり、スムーズに事が進められたと思います。
小児科で診断書を書いてもらう
小児科から「役所から経過記録が届いたため、近いうちに受診するように」と電話を受け、診察へ。
子どもの様子を見ながら、興味の偏りや言葉の遅れ等から「自閉症スペクトラムの疑い」で療育利用が必要との診断書を書いてもらいました。
診断書は当日受け取ることができました。

「●●の疑い」でも診断書があれば受給者証の申請ができました。
療育施設の見学
小児科から帰宅後、療育施設の見学をお願いするために電話。
管理者の職員の方とお話をして、見学の日程を決めました。
見学当日は、役所の担当の保健師さんに同行していただき、実際に療育の様子を見学。
資料を見ながら説明を受け、利用契約の日を決めて終了。

分からないことはだいたいこの時に質問が出来ました。
療育の利用契約
この日も役所の保健師さんに同行していただき、療育施設へ行きました。
療育の契約は、契約書を読んで一つ一つ確認しながら署名捺印していきます。
な、長い…。
複数のサービスの契約があったため、正直沢山ありすぎて大変でしたが、不明点がないか確認しながら丁寧に進めて頂きました。
保健師さんからは、支援計画案の作成のために、簡単な状況の聞き取りがありました。

息子は施設の職員さんが一緒に遊んでくれて、とても助かりました。
療育利用開始
まずは場所に慣れるために、親子通園から開始。
初回はほかの親子は居らず、先生と私たち親子だけでした。
さみしい気もしましたが、手厚く見てもらえて良かったです。
本人は初めての場所なので、部屋を走り回ったりおもちゃで遊びたいと怒ったりして、落ち着かない様子だったけど、それなりに楽しめたようでした。
保育園等通っているところが無かったので、これから家以外に過ごせる場所が増え、どんな成長がみられるか楽しみな気持ちでした。
利用している療育施設の主な特徴
単独通園・親子通園が選べる
曜日は決まっていますが、事前に施設に伝えておけば、どちらを選択してもOK。
本人の特性や成長に合わせて、単独通園に移行していく。
保育園を訪問をしてくれる
「保育所等訪問支援」といって、療育の職員の方が、月に1回程度利用している保育施設に様子を見に行ってくれます。
専門の支援スタッフが保育所や幼稚園、認定こども園などに訪問して、発達に支援が必要な子どもたちに対して直接支援を行うサービスです。このサービスは、子どもが通常の保育環境でより良い支援を受けられるようにするために提供されます。
事前に要望を伝えておけば、後日状況を報告してくれます。
利用時間延長
自治体の「日中一時支援サービス」の利用により、朝は30分前、終了後は4時間まで延長ができます。
障害のある人が日中の一定時間を安全かつ快適に過ごせるように支援するサービスです。主に家族の介護負担を軽減し、利用者が社会参加や活動を行うための場を提供することを目的としています。
送迎サービス
朝、保育施設に送って行けば、療育開始に合わせて、職員の方が保育施設に迎えに来てくれます。
また、療育終了次第、保育施設へ送ってくれるので、親の送迎は保育施設のみでした。

送迎や時間延長サービスを利用して、2人目を出産する時も通えました!
療育施設を探すときのポイントは?
1.役所の担当者や保健師さんから情報を収集する
地域の療育施設や医療機関等情報が無いため、どこに通ったらいいかわかりませんよね。
市区町村の担当課(障害福祉課や子ども福祉課等)に連絡してみましょう。
担当職員の方に状況等話をして、必要な情報を得ることができます。

引っ越しが決まったら、すぐ問い合わせてしょう。
2.療育施設を選ぶ時は、必ず見学する
施設によっては見学が必須になっているところもありますが、どんな雰囲気でどんな対応をしてくれるのか、実際見ると安心ですよね。
その時は本人も連れていき、楽しく通えそうな場所なのか、確認するのがオススメです。
子連れで見学に何件も巡るのは大変でしたが、本人が「あそこは行きたくない!」「●●が楽しそう。また行きたいな。」等教えてくれました。
電話で気軽に見学の予約ができることが多いので、一度連絡をしてみてください。
3.市区町村と病院の間で情報を共有してくれるか問い合わせる
地域と医療機関が連携している地域が増えています。
こちらも二度手間にならないし、なにより状況を良く知っている担当者に情報を共有してもらえると安心ですよね。
療育施設の利用の際の受給者証の発行や、それに伴う診断書を書いてもらう時にとても助かります。
最後に
わが子に障害があるとわかったとき、冷静に動ける方は少ないと思います。
初めてのことで、手続きもたくさんあり負担に感じますよね。
そんな方に、この体験が少しでも役立てばうれしいです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。